ファイナルファンタジーXIVが新生を迎えてもうすぐ6年。その長い長い時間の中で、私たち冒険者の胸の内には、かけがえのない思い出が溢れている。皆さんはそんな旅の記録や思い出を気軽に投稿・共有できるロードストーンの日記機能を活用しているだろうか?
今回は日々数多くの投稿でひしめくロードストーンの中でも、ひときわ独特で鮮烈なスタイルを貫く、とあるプレイヤーにお話を聞いた。
アンジェリカさん
GungnirワールドのFC/LS「ジェダイ」のマスター。実の妹のエオルゼアデビューの様子を綴ったロードストーンでの連載日記「闇の姉」シリーズが光の戦士達の間で話題となり、コミュニティ放送でも紹介された。
“闇の姉”こと、アンジェリカさんってどんな人?
──改めてロードストーンの日記を読み返していたんですけど、アンジェリカさんの日記って切り口が斬新ですよね。割と、皆さんプレイ日記を中心に書いていらっしゃる中で、リアルでUSBケーブルを買いに行くだけの日記とか、なかなかないじゃないですか。
アンジェリカ:FFXIVの事、あんまり書いてないですね(笑)。
──アンジェリカさんの独特な持ち味でもあると思います。普段FFXIVの中ではどんな遊び方をされていらっしゃるんですか?
アンジェリカ:そうですね……。それ、結構よく聞かれるんですけど、私はメインの進行も周りより遅いんです。あんまりガッツリコンテンツにも行ったりしないので、本当……私……何してるんでしょうね……(笑)。
でも一応、FCとLSのマスターをさせていただいているので、お喋りしたり、地図に行ったり、コンテンツルーレットに行ったりして遊んでいます。あとは絶バハムート討滅戦のクリア目指して頑張ったりとかですね、色々やってますよ。
──絶バハムート討滅戦にチャレンジされているんですか! 凄いです!
アンジェリカ:私ほとんど戦わない人間だったんですよ。1週間武器を出すことすらないってレベルのプレイヤーだったんですね。そんな私が、マウントの「鳳凰」あるじゃないですか? あれがすごく欲しかったんです。
でも鳳凰って、蒼天の極蛮神を倒して鳥マウントを全種類集めないといけなくて。ふだん戦わない私にはとてもハードルが高いものだったんですね。鳳凰を取れたときはすごく嬉しくて、そこでみんなでギミックとか1つ1つ乗り越えていく楽しさを知ることが出来たんです。
「これ……もっと強い敵を倒せたら、どれくらい嬉しいんだろう……」って思って、絶バハムート攻略を始めました。
──大変でしょうがクリアした時の達成感はひとしおでしょうね……応援しています!
アンジェリカ:ありがとうございます! 絶対レジェンドになってみせます! 死にかけの妹を絶バハムートの武器を持って助けるのが夢です。
──そこで妹さんネタをねじこんでいくんですね(笑)。
アンジェリカ:無理やりねじこんでいきます!
ロードストーンでの人気連載「闇の姉」シリーズ。
──アンジェリカさんは「闇の姉」というシリーズで、実の妹さんのエオルゼアデビューを日記で連載していらっしゃいますね。今日はその「闇の姉」シリーズについてのお話を聞いていきたいと思います。
妹さんがエオルゼアに足を踏み入れたきっかけは何だったんでしょうか?
アンジェリカ:酔っぱらった私がFFXIVにログインしたまま寝てしまったらしく、妹が代わりにログアウトしてくれたのがきっかけになります。
──妹さんは、普段アンジェリカさんがFFXIVをプレイしている姿を後ろで見ていたりしたのですか?
アンジェリカ:そうですね。いつも見てるというわけではないんですけど、私がゲームをしていたら後ろで漫画を読んでいたりします。同じ空間にいることが多々あるので、独り言とか聞かれて恥ずかしいんですけどね。気まずいです(笑)。
──じゃあもともと、FFXIVがどんなゲームなのかというのはフワっと知っていらっしゃったんですね。ちなみにお姉さんが酔っ払って寝ている間、妹さんはフレンドさんとどんな会話をしていたんですか?
アンジェリカ:後日FCのLSメンバーに聞いたところですね、私のこと……「悪魔」とか言ってたってのは聞いてますね……。
──(笑)。
アンジェリカ:私がマスターやってるのは知らなかったので「姉の所に集まって大丈夫なんですか?」みたいな。塩対応ですね! ええ! 仲は良いんですよ!?
──妹さん、よく画面の向こうの見知らぬ人にチャットをしようと思いましたよね。勇気ありますね。
アンジェリカ:ログアウトの方法を聞いたらしいです。
──「アンジェリカの妹ですが、ログアウトってどうするんですか?><」みたいなニュアンスだったんでしょうか?
アンジェリカ:そんな感じですかね? たぶん。そんなに可愛く言っていないと思いますけど……。
──そんな実の姉に対して当たりの強い妹さんですが、「闇の姉」シリーズがコミュニティ放送で紹介されていましたね!
アンジェリカ:びっくりしましたね! ちょうどご紹介して頂いた時にリアルタイムでコミュニティ放送を見ることができなくて。出先でふとTwitterを開いたら「アンジェリカさん姉妹、コミュニティ放送出演おめでとう!」ってタイムラインに溢れていました。
「いや、私ファミレスに行ってただけで、放送とか出演してないんだけど!?」と慌てましたが、家に帰って妹と紹介していただいた部分の映像を見て「なんじゃこりゃ!?」と驚きました。まさかこんな事になるなんて思ってなかったので……でも嬉しかったですね!
──姉のやっているゲームをちょっとプレイしてみたら、いきなりその運営に生放送で紹介されるなんて、人生の内でなかなか出来ない体験だと思います。鮮烈なオンラインデビューでしたね。
アンジェリカ:妹はオンラインゲーム自体初めてだったので、「こんなことが起こるんだ……オンラインゲームってすごいね」って感じでしたね。
自由すぎる妹さんの近況は……。
──最近はどうですか? 妹さんの近況というか、あれから進捗はありました?
アンジェリカ:最近妹はですね、「レッツゴー! ピカ●ュウ!」やってますね……。それが終わったらFFXIVを再開したいと言っています。ピカ●ュウ(カーバンクル・トパーズ)が出したくて巴術士がやりたかった子ですからね……仕方ないね……。
──確かに、最初はピカ●ュウが出せる巴術士がいいって言ってましたね!
アンジェリカ:今でも巴術士になる夢は諦めていませんよ! でもあれ……斧術士をチョイスしたのは私のせいじゃないと思うんだけどな……。
(カーバンクル・トパーズを連れて遊びたかったのに、誤って斧術士になってしまった妹さん。)
──でもそろそろLv10でジョブチェンジ出来るのでは?
アンジェリカ:そうなんですよ! 確かLv10になったんですよ! ここからエオルゼアでのポ●モンマスターへの物語が始まるというところで、ちょっと私がケフカ(次元の狭間オメガ:シグマ編4層)と戦い始めたものですから……プレイしているPCが共有なので、妹がログインできなくなってしまって悪いことしましたね……。
ベテランプレイヤーの姉と若葉マークの妹、その距離の取り方とは。
──妹さんのプレイを後ろで見守る上で、気を付けたりしている事はありますか?
アンジェリカ:1番気を付けているのはあの子にレールを敷かないことですね。
例えば、「これやったほうがいいよ~」とか「あれやったほうがいいよ~」とか、「こうしないとダメなんだよ~」とか。そういうのは必要がなければ言わないことにしてます。
あの子にはあの子の物語があると思うので、それを楽しんで欲しいんです。なので私は操作上必要なことや、聞かれたり、お願いされた以上のことはしないようにしています。
──最初からあれこれ口出ししていると、本人のやる気を削いでしまいますもんね。
アンジェリカ:後ろで虎視眈々と、日記に使えるSSを撮るのに徹しております。
──そこは抜かりのないお姉さんなんですね。
アンジェリカ:巴術士になりたかったのに手違いで斧術士になっちゃった時みたいにね、口出しすると「要らない情報が多すぎる」とか言われますので……。
──FFXIVに限らずオンラインゲームって専門用語が多いじゃないですか。今でこそ「CF」とか「タゲ」とか普通に口に出しますけど、初心者さんからしてみたら「解りやすく言って!!」って思いますよね……。
アンジェリカ:ですねぇ……。「タゲとって」って言うと「はぁ? チャゲ?」とか言われますよ……。
一同:(笑)。
アンジェリカ:こんなノリばっかりなんですよ。なんかこう、あんまり感動する話がないんです!
──いえいえ。でもこの初心者さんとベテランさんの距離感って、プレイヤーの間でも難しい問題でもあると思うんですよ。
先程アンジェリカさんが仰ったように、何でもかんでもベテラン側からレールを敷いてしまうと、そこに初心者さんが楽しむ余裕というのが無くなってしまうんです。なので、日記を拝見していて、“必要最低限以上のことは口出ししない”というアンジェリカさんのスタイルは、先輩プレイヤーとしての鑑だなって思うところもあったんです。
アンジェリカ:だってケンカになるんだもの!!!!「姉うるさい!」みたいな!
──妹さん、ちょくちょくお姉さんに対して怒っていますね。
アンジェリカ:初心者さんとベテランさんの価値観の違いってネットとかでもよく見掛けるじゃないですか。「IDで好きに行ったらいかんのか?」とか。そういうのも踏まえて必要なこと、求められていることだけにしています。冒険感が薄れてしまうと楽しさも半減ですしね。
──その人なりの冒険やゲームの楽しみ方って必ずあるはずなんですよね。たとえばFFXIVだと戦闘コンテンツ以外にも、ハウジングだったり、ミラプリだったり、仲間とのチャットだったり。その人に合った遊び方というのは必ずあるはずで、それを自分で見つけ出す/自分で辿りつくというのも、長くゲームを続けていけるかという重要な要素だと思うんです。
妹さんにも少しずつでいいので楽しんで進めて欲しいなと、いち読者として感じますね。
アンジェリカ:FFXIVをプレイしている時は楽しそうにしてるので、これからもそうであって欲しいし、もっと楽しんでもらえたらいいなと思います。
──確か最新のシリーズ更新が、トイレ掃除のオバちゃんみたいな装備で落胆していたところで中断していたと思うので、お世辞にもオシャレとは言い難い、あの「魔のレベル帯」を頑張って抜けて欲しいです(苦笑)。
アンジェリカ:いつかオシャレになれる日を夢見てがんばってほしいですよね! そうか、今ミラプリ機能の開放ってLv15からか……。妹が再開したら教えてあげよう!
──ですね! モチベーションになるかもしれませんよ!
闇の姉が選ぶ、個性的な妹さんのエピソード。
──妹さんとプレイしている上で、アンジェリカさんが1番印象深かったことや面白かったエピソードって何ですか?
アンジェリカ:そうですね……。ロードストーンの日記で公開している事で言えば、XHBを“ケビン”って名前にしたらダメ出しされたことですかね……。
アンジェリカ:日記に書いていないことで言えば、家族で夕食を食べている時に「姫(アンジェリカさんのハンドルネーム)、醤油取って」って親の前で言われるようになったことですね……。
──親の前でハンドルネームで呼ばれるのは厳しいですね。
アンジェリカ:きっついです! なので、そこは咄嗟に母に向かって「ママ……妹が“醤油取って”って言ってるよ?」って、母のことにしたりしてますね。姫と呼ばれてママはご機嫌です。
──日記の文体とかスタイルとかもそうですけど、アンジェリカさんの機転の利かせ方ってほんと素晴らしいです。でないと、あのウィットに富んだ日記は書けないです(笑)。
アンジェリカ:そう言って頂けると嬉しいです(苦笑)。
妹さんへ普段言えない一言。姉からの想いとは……。
──では、そんなお茶目(?)な妹さんに一言メッセージをお願いしたいです!
アンジェリカ:妹のお陰でこうしてインタビューをしていただけたり、コミュニティ放送で紹介してもらえたりと、普通なら出来ない経験をさせてもらえてお姉様は本当に嬉しいです。
最近はめっきり任●堂に心を売り、魂を売っているあなたですが、可能ならエオルゼアに戻ってくれるとお姉様は信じています。
いつかあなたが見たいと言っていたコスタ・デル・ソルの海を一緒に見れるまで、冒険を続けてください。よければ、そのあとも冒険を続けてください。
以上です……。ありがとうございます……。恥ずかしいですね(笑)。これ読んだ後、顔合わせづらいですよ!
──そう仰るだろうと思って、あえてこの質問にしました(笑)。
妹さんのお陰と仰っていますけど、それはアンジェリカさんの日記のスタイルだったり、楽しんで紹介している姿が、素晴らしいものだったからこそですよ!
最後に、拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」が間もなくリリースのFFXIVに向けて一言!
──では最後に、これからFFXIVは5.0拡張パッケージに向かって行きますがFFXIVに向けて一言お願いします!
アンジェリカ:漆黒のヴィランズ、とても楽しみにしております。これから拡張パッケージへ向けて、沢山の調整等で大変かと思いますが、毎日楽しく遊ばせていただいているFFXIVのさらなる発展をお祈りしております。
なので是非、この漆黒のヴィランズを機会に……是非! ライトセーバーのような武器の実装と、木人とのエタバンシステムの導入をご検討頂けたらなと! 我々、Gungnirワールドのジェダイ一同、心よりお待ちしております!!! 毎日楽しく遊ばせてくれてありがとう! これからも頑張ってください!
──アンジェリカさん、ありがとうございました!