あなたが嬉しいとき、楽しいとき。その想いを真っ先に伝えたくなる人は誰だろう?
ファイナルファンタジーXIVはたくさんの遊び方に溢れていて、バトルコンテンツは勿論、ハウジングやミラプリなど、楽しみ方も人それぞれ。そんなたくさんの「楽しい!」という気持ちを目一杯に詰め込み、さまざまな視点からエオルゼアでの楽しみ方を紹介し続ける「EORIZE」というユーザー発信の情報誌をご存知だろうか。
毎号新しい発見をもたらしてくれる個性的なコンテンツは、一体どんなメンバーたちが創っているのだろうか?
その編集部のドアをノックし、制作メンバーにお話を聞いた。
とにかくがむしゃらだったメンバー集め。手探りのまま走り出した編集部。
──残念ながら今回は編集長のかやさんがご多忙のため欠席ということですが、本日はよろしくお願いします。
改めてEORIZEを読み返していたのですが、創刊がちょうど1年くらい前だったんですね。EORIZEメンバーが集まったきっかけについてお聞かせいただけますか?
Neco Zukin/アートディレクター・グラフィックデザイナー(以下、ねこ)
ねこ:最初、編集長のかやちゃんに雑誌っぽいものを作りたいと相談されたんです。当初は本人が1人で作る予定だったのですが、「教えるよりも私がデザインするから、かやちゃんが編集長でやったらいいよ」って、私が提案しました(笑)。
──おひとりで作ろうとしていたんですか! それは初耳でした。
ねこ:1冊の雑誌を作るにあたって、流石に2人だけと言う訳にも行かないので……。それだったら編集長のかやちゃんの好きな人を集めてチームを作ろうってことになったんです。そしてかやちゃんが声を掛けた人たちが集まってこのチームになりました!
──かや編集長から声を掛けられて、最初の感想ってどうでした? 「おもしろそう!」とか「できるかな……」という不安とか、皆さん思う所があったと思いますが。
Popo Mare/イラストレーター(以下、ぽぽ)
ぽぽ:「雑誌を作るからイラストを描いてもらえないかな?」って声を掛けてもらったのが始まりでしたね。当初は企画の中身が全然わからなかったんですけど、力になれたらいいなと思ってお返事しました。活発で面白いことをやって、ぐんぐんひっぱってくれるかやさんが好きだったので……。
ねこ:かやちゃんもぽぽちゃんのことをずっと大好きだったんです。
ぽぽ:えへへ……(照)。
Zru Udn/プランナー・ライター(以下、うどん)
うどん:オレはかやさんとFCが同じなんです。所属していたFCで主催していたプレイヤーイベントを何回か一緒にやってたから、その流れでしたね。「うどんちゃん、本作ろう思うー」「おー。ええねーやるかー」くらいの軽い感じ。
一同:軽い!(笑)
Fees Linecru/Webディレクター・デザイナー(以下、ふぇす)
ふぇす:昨年の7月末に突然かやさんからTwitterのDMで声を掛けられたんですよね。要件がわからないままカーラインカフェで待ち合わせることになったのですが、会うや否や「EORIZEにWebで協力してください!」って。本当にびっくりしました。
ねこ:私がふぇすさんを強く推薦したんです。
ふぇす:元々ねこさんとは古い縁で繋がっていましたし、EORIZEはいち読者として応援していました。まさかそんなお誘いが来るとは思わず、とても驚きましたが、二つ返事で「喜んで!!」と快諾させていただきました。
──既にふぇすさんは「ギャザラークロック」などのツール作成の分野でご活躍されていましたしね。
ぽぽ:ふぇすさんが来てくれた時、びっくりしたなぁ。嬉しかった。
ふぇす:歓迎してもらえて嬉しかったです。
Rain Matsuzaki/プランナー・ライター(以下、レイン)
レイン:私はVol.1のリリース前にかやさんから「撮影で手伝ってほしいことがある」と言われたのが最初です。その時は家庭の事情もあり、一旦チームへの参加を延期にして貰っていたのですが、その段階ではまだEORIZEのことだとは知りませんでした。
──では、割と早い段階で声が掛かっていたんですね。
レイン:そうなんです。その後少し余裕ができたので、「そろそろお手伝いできるよ」と連絡したのですが、いきなり「EORIZEで何がやりたい?」って唐突に言われて頭がパニックでした。
一同:(笑)。
──内容がわからないままそれを言われたらパニックにもなりますよね(笑)。
レイン:「え? 私、EORIZEに入れてもらえるの!?」って驚きましたね。最初はSSで企画を考えていたのですが、その時には確か既にぽぽさんとなぎさんの企画のラフがかなり出来上がっていました。それを見て「これに敵うものは私には作れない」と思いました。本当にすごかったんです……!
それで改めてかやさんに相談して、そのときには既に「大地の一滴」のイメージは出来ていたので、そこで初めて“小説の執筆”という企画になりました。
ふぇす:レインさんの作品は素敵な上に、仕事がとても早いんです。
──レインさんの小説も毎回、いちファンとして読ませてもらっています。
レイン:ありがとうございます!
Yoshitsune Bright/プランナー・ライター(以下、よしつね)
よしつね:私の場合は少し特殊かもしれません。EORIZE Vol.1の特集が現メンバーのまどさんのバーだったのですが、当時はサブキャラでお店のお手伝いをしていたんです。そこで「雑誌を作るから」ってかやさんが1度来店した時に「雑用くらいなら手伝うよ」って軽く会話してチームに混ぜてもらいました。
ねこ:とはいえ、実はつねちゃんは編集長の補佐役も担っております!
──補佐役というと、具体的にはどういった業務をされているんですか?
よしつね:大した事はしていないと思うんですけど(笑)。主に日程のリマインドや校正ですね。
ふぇす:細かな所によく気付くよね、つねくん頼もしい。
ねこ:……かやちゃんを始め、EORIZEは大雑把な人が多いので……(小声)。
──めちゃくちゃ重要ポジションじゃないですか。頼もしいです。
ぽぽ:ファッションスナップに必要なSSを撮影する時に、プレイヤーさんへのナンパ(声掛け)はミスりますけど校正はミスしない男です!
一同:(笑)。
ふぇす:ナンパはミスる。
よしつね:成功したから!! 1回だけだけど……。
Koyubi Huit/プランナー・ライター(以下、こゆび)
こゆび:実は私は、1年前くらいに「もうゲームやめよう」と思っていた時期があったんです……。
かやちゃんはプレイヤーイベントで知り合ってからずっと仲良くしてくれていて、その話をしたら「こゆびがゲームをしていて楽しい! と思える環境を絶対に作るから、一緒にやろう」って言ってくれて、やるならミラプリ関係がいいねって考えてくれたりしていました。
その後にもう1度引退詐欺をしてしまうんですけども、でもあのとき声をかけてもらえて本当に良かったという感謝の気持ちでいっぱいです。
──編集長のかやさんの言葉には、「この人と一緒に居たら、それが現実になるんじゃないか」っていうパワフルさとポジティブさと求心力に満ち溢れていますよね。ここまでお話しを少し伺っただけでも、EORIZEのパワーの源がどこにあるのか、何となく探れたような気がします。
レイン:加入エピソードだけでもみんな個性的すぎるな。
──そのバラバラの個性が一丸となって、チームとしてキチンとまとまっているのも凄いですよね。
ねこ:EORIZEはかやちゃんの「好き」が詰まってるから!
EORIZEの魅力的なコンテンツ。それは各々の自由な発想からだった。
──そんなパワフルで自由な編集長の下に集った個性的な面々ですが、毎号ごとに編集長から大まかなテーマをあらかじめ提示されているそうですね。ライターさんたちはそこからどうやってコンテンツの構想を膨らませたりしていますか?
ぽぽ:ほぼ各自で自由に考えていますね。
よしつね:各自だねぇ(笑)。
──メンバー間でイメージの擦り合わせはあまりしないのですか?
うどん:先にもう書きたいことを考えてるから、後からこじつけてる!
ぽぽ:私も取材ポイントは先に決めてしまっているので、その中から何となく掘り下げたりしています。
ねこ:うどんくんみたいに何も考えてない人もいますけど(笑)。その辺りは息が詰まらないように、各々が割と自由にやってるはずです。
一同:(笑)。
ふぇす:キーワードと色からコンテンツに昇華できるのって凄いと思うよ……!
よしつね:まず編集長から下りてきたテーマを聞いて「何を作ろうか?」と考えます。そして、みんなに「こんなのを作ろうと思ってるよ」って投げて、そこで返ってきた意見からまた変えたりそのまま進めたりしています。
──なるほど。割とガチガチにコンセプトが決まってるわけじゃなく、ライターさんたちの主体性に任せているからこそ、コンテンツに各々の個性を活かせているんですね。
ねこ:そうだと思います。
ぽぽ:ねこさんが巻頭と巻末でテーマをしっかりまとめてくれているので、個々の内容が多少ばらついてもブレてない感じに伝わるのかなって思います。軸足がついていますよね。
──あの巻頭と巻末のフレーバーテキスト、すごく素敵ですよね。
(EORIZE Vol.03の巻頭ページより。)
ねこ:巻頭は編集長が、巻末は私が担当しています。
──チーム間の細かいやりとりって、ツールは何を使用されてるんです?
ねこ:『Discord』(VoIP フリーソフトウェア)を使用していますね。
──チャンネルが分けられるので細かいやりとりは便利ですもんね。
ふぇす:そうです、コンテンツごとにチャンネルを分けて使っていますね。
レイン:雑談用の「休憩所」チャンネルが一番盛んだよね。
ふぇす:うどんさんのヤンチャなSSが流れてくる(笑)。
──そこで「ナンパ断られた!」とか愚痴ったりするんですね(笑)。でも、この気のおけない仲間同士で制作ができるということも大切なモチベーションだと思います。
ぽぽ:チーム内の風通しは抜群に素敵だと思います。
レイン:EORIZEが14時間生放送に招待されたときの休憩所の盛り上がり方はすごかったですよ!
──14時間生放送も、編集長が出席できなかったのが残念でしたね。代わりにねこさんがリアル冊子版EORIZEを吉田P/Dにお届けしたとお聞きしました。
ふぇす:フラワースタンドも出させてもらったね!
お気付きだった方もおられるかもですが14時間生放送にお花だしていました☺
ひまわりオンリーのまっ黄色️🌻🌻🌻
花選は迷いましたが、エオルゼアを照らす太陽のような…とかカッコいい理由は全くなく「黄色、パンチあるな🌝」「いいね🌞」「イイ🌚」って感じで決まりました🏃🏽♀️#EORIZE #XIV14 pic.twitter.com/L4dUU2HFMo— EORIZE (@EORZEA_RISE) September 2, 2018
うどん:向日葵のやつね。
──黄色が何ともEORIZEらしい元気なカラーですよね。
個性的なコンテンツをまとめる、デザイナーの腕の見せ所。
──毎号のテーマとなるメインカラーは編集長が決めているというお話しでしたが、デザイン面についてもお聞かせいただけますか?
ねこ:読む人が飽きないで最後まで見ていただけるかを考えながらページ割をしています。ですが、いつも悩ましいのがレインさんの読み物をどこに入れるかという所です。文字が多いと読んでくれない人もいるので……。小説の内容が素晴らしいので、何とか読んで欲しくて魅せ方には苦労していますね。
レイン:小説は読んでもらうことが1番のハードルなので、ねこさんのデザインには本当に助けられています。
(EORIZE Vol.03 「紅蓮夜話」より。)
──レインさんのコンテンツだけでなく、毎号どんどん各コンテンツがボリュームアップしていますよね。あの文章量とページ数で飽きさせない作りにするのは本当に難しいですし、デザイナーさんの腕の見せ所でもありますね。
ねこ:そうなんですよ。でもみんなそれぞれ想いがあってボリュームアップしてるはずなので、なるべく内容を削らずに頑張って工夫しています。
ふぇす:毎度短い期間であの精度を出すのはすごいと思います。
──たしか編集長が以前「毎月発行したい!」と仰っていた気がしますが、あのボリュームとクオリティだと、さすがに毎月発行は厳しいでしょう(苦笑)。
ねこ:そうなんです。その頃は編集長は勝手がわからなかったので……(笑)。
──我々素人からすると、デザイナーさんがどんな苦労をされているのか中々想像が付かない所があります。
ねこ:物理的に無理ですね……。みんなにどういう作業をしているか見てもらいたいです。
──Webデザインのほうは全般ふぇすさんがご担当されているのですか?
ふぇす:はい、デザインから実装までをまるっと担当しています。冊子とWebサイトでのイメージのズレが生じないよう、ねこさんを中心にメンバーからフィードバックを貰いながら制作を進めています。
──Webページも非常にスッキリしていて、尚かつ伝えたいことは簡潔にまとまっているデザインですよね。
ふぇす:ありがとうございます! イントロのアニメーションは最小限に、自然に読者をコンテンツへ誘導するデザインを目指しました。
ねこさんが担当している冊子もそうですが、Webも皆が作ったコンテンツを包むパッケージの役割と、冊子そのものへの導線を担っています。読者に一番いい状態でお届けできるようにということを大事にして作っています。スマホでもPCでも雑誌を手に取るような感覚を持っていただけたら成功ですね……!
──誌面もWebもまず「見てくれる人ありき」なんですね。
ねこ:1番重要です!
ふぇす:読者に届かないことにはね!
拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」が間もなくリリースのFFXIVに向けて一言!
──EORIZEに掛ける想いや、今後のFFXIVに向けて一言ずつお願いします!
ぽぽ:EORIZEに救われたことがたくさんあります。これからもマイペースで、楽しいコミュニティの中でエオルゼアライフを楽しんでいきたいです! ぼっち期間も長かったので、このまったりとした大人で愉快なメンバーが大好きです、感謝しています。
うどん:4.xは楽器演奏もあってプレイヤーイベント活動がすごく活発だったと思います。5.xでもその流れのまま色々な楽しみ方をこのメンバーで探していければいいなと思います。
ねこ:真面目すぎてちょっと(笑)。
レイン:真面目なのにダメ出しされてる。
一同:(笑)。
ふぇす:いわゆる「根性版」からFFXIVを続けて来ましたが、プレイヤーコミュニティが盛り上がっている「いま」がとても幸せです。EORIZEはもとより、「光のオーケストラ」「ギャザラークロック」など、さまざまな活動を通して、これからもコミュニティを盛り上げていけたらなあと思っています。
こゆび:この1年、EORIZEを通してたくさんの楽しいことや出逢いがありました。
FFXIVはこれから先、また色んな事が出来るようになって変わっていくと思うけど、みんなでいつまでも楽しく素敵なものを作っていけますように。そして、たくさんの人とEORIZEを共有できますように!
レイン:MMOを長くプレイしていると、どこかで「飽き」にぶつかってしまう時がくると思います。そんなときにプレイヤー主体の遊びに触れて、「こんな遊び方もあるのか!」と思ってくれると嬉しいです。プレイヤーイベントには、そのプレイヤーの「好き」が詰まっています。私たちEORIZEもそうです。
この「好き」のエネルギーは思いのほか大きいもので、このエネルギーがより多くの仲間たちに届くように、これからも頑張ります。
よしつね:ゲーム内外問わず遊び方が多岐に渡っていて、光の戦士の熱量って本当にすごいなって驚きました。EORIZEを通じて自分自身リアルクラフトの世界に片足突っ込んだので、誰かにこういう遊び方もあるよって思っていただけるように頑張ります!
ねこ:SSを撮ったりイベントも好きなのですが、同じくらいにバトルコンテンツも好きなので、レイドや難しいコンテンツにも通いたい。そっちも存分に楽しみたいと思います!
EORIZEの中ではデザイナーという立場上、唯一表にあまり出ない人なのですが、今までもしてきたように、編集長を助けて、みんなの企画を主役にするべく最後まで頑張るつもりです!
──EORIZE編集部の皆さん、今日はありがとうございました!
最後に、編集長からのメッセージを頂きました。
(残念ながら今回のインタビューに欠席された編集長のかやさんからメッセージを頂きました。お忙しい中コメントを寄せていただき、ありがとうございました!)
2019年の年始頃からお仕事が忙しくなり、エオルゼアに居る時間がとても減りました。
そんな生活を送りながら数か月が経ち、振り返ると、この世界で出会った人やあったこと、その一つ一つの素晴らしさを感じます。
プレイヤーとしてこの世界に初めて触れたのが3.xの頃。
あれから3年、蒼天の青く儚い世界に感動し、紅蓮の赤く滾る世界にすっかり魅了されました。
そこで共に過ごしてきた仲間と思い出全てが、現実そのもので大切なものです。
もう少しで触れる事が出来る新たな世界。
そこでまた、いつもの仲間と再会し、新しい思い出を創り上げたいです。
EORIZEも次号4thで(予定を過ぎてしまったけど)1周年という節目を迎えますが、新たなステージでも、変わらず楽しいを表現し続けたいです。